【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】インド・タムバンガラヤ・メガウ(ITMG:インドネシア)
こんにちはmokomoko3です。今回はアジア・アセアン株の売買ランキングで常に上位に顔を出す、
インド・タムバンガラヤ・メガウ(ITMG:インドネシア)という株の銘柄紹介を
行っていきたいと思います。
会社概要
【インド・タムバンガラヤ・メガウ採掘所一覧】 |
Tambangraya Megah Tbk)は、本社をインド
ネシアのジャカルタに本社を構える石炭鉱業会
社です。1987年に設立され、2001年にタイの
バンプ―傘下のインドネシアの持株会社
Centralink Wisesa International によって買
収)され、子会社化されました。現在は資本関係が整理され、発行済み株式総数の65.1%
をバンプ―子会社のBanpu Minerals Pte. Ltd.が保有しています。
インド・タムバンガラヤ・メガウの事業内容は石炭鉱業事業のみとなっています。です
が、単なる採掘会社ではなく石炭のマイニング事業、石炭加工事業、そして物流事業をイ
ンドネシア国内でインドネシア国内で一貫して行う、石炭に関する総合事業会社といった
側面を持っています。
業績推移
【インド・タムバンガラヤ・メガウ業績推移】 |
の業績の推移をみていきましょう。2017
年の業績は、売上1689 million US$
(1$=約106円なので約1797億円)、
純利益は252 million $(約268億円)、
EPSは230 $(約24千円)となっていま
す。直近5年間の業績を比較すると13年の
売上が2178 millino $(約2317億円)、
純利益が204 million $(約217億円)、EPSが180$(約19千円)となっており、13年対
比で22.4%の減収、23.5%の増益、EPSは27.7%のプラスとなっています。
【石炭価格の推移 世界経済のネタ帳より】 |
13年対比で減収となっている要因とし
て、石炭販売価格の変動が挙げられます。
石炭価格は左のグラフのように大きく変動
しており、11年に高値の129.6$をつけて
以降、石炭価格の急落に伴いインド・タム
バンガラヤ・メガウの業績も大きく低迷し
ました。15年から16年にかけて石炭価格
は回復をみせます*が、それでも13年の石炭価格90.1$/1t(17年は86.6$/1t)を
*中国政府が石炭の減産規制を行ったため、発電用石炭が枯渇。中国が発電用石炭の輸入を大幅に拡大したため、石炭相場はグラフのように急回復しました。
超えることはできず、結果的に収入は13年対比で減収となりました。もっとも、
石炭採掘事業から石炭加工事業、輸送・販売事業へと拡大することによって利益率は改善
し、需要予測部門を新設し稼働率を向上させたことで、収益性は大きく向上。在庫の評価
益もあり17年の純利益額は13年対比で大きく伸長する結果となりました。
しかし、今後の業績に関しては不透明さが残ります。 今回の石炭価格回復の要因となった
中国政府による石炭採掘制限が限定解除され、18年1Q には中国企業による本格的な石
炭採掘が開始されます。また、環境負荷を減らすため発電用燃料を化石燃料から天然ガス
へエネルギーシフトする例も増えてきており、石炭販売価格が下落し、業績が低迷する恐
れがあります。投資する際には石炭の需給を確認してから投資したほうがよいでしょう。
配当推移
【インド・タムバンガラヤ・メガウ配当推移】 |
配当推移をみていきましょう。2017年の
配当額は中間配当が1300 Rp(1 Rp=約
0.007円なので約10円)、期末配当が1885
Rp(約14円)となっています。配当性向
はバンプ―の子会社のためほぼ100%近い
配当性向が続いています(過去記事のユニ
リーバ・インドネシアと同じく、親会社へキャッシュとして還流するため)が、配当政策
として「配当性向100%」の明言はなく、利益水準や資本蓄積、事業拡大などの可能性を
考慮し「最低でも配当性向60%を目途に」配当を行うと表明しています。今後の配当額と
しては、おそらく100%近い配当性向が続くものの、企業業績が石炭価格の相場に大きく
左右されることから配当額は予測がつけにくい状況です。国際エネルギー機関の調査で
は、今後アジアを中心として石炭の需要は伸びるものの、今後10年は石炭の需要が低迷す
る見通しとなっており、良くて現状維持、悪いと減配の恐れがあります。
株価推移
【インド・タムバンガラヤ・メガウ株価推移】 |
株価の推移をみていきましょう。2018年
4月3日時点の株価は28625 Rp(約220
円)となっています。企業業績が石炭市場
の影響によって各年度で大きく変動してい
ますが、株価は右肩上がりで推移しています。短期的にみると18年2月23日に31700 Rp
を付けて以降、30000 Rpを上値抵抗線として、株価は横ばいの動きを続けています。
株式指標は(18年3月31日実績値ベースで) 、PERが8.9倍、PBRが2.3倍、配当利回りが
驚きの11.0%となっており、割安感があります。6月以降の石炭相場が堅調であれば、
余裕資金の一部(10%程度)投資してみるのも手かもしれません。
まとめ
アジア・アセアン株のインド・タムバンガラヤ・メガウは、企業業績が石炭の販売価格の動向に大きく左右される銘柄です。環境規制の影響で石炭需要が先細り、長期的な収益の
拡大は期待しにくいものの、事業統合による経費削減によって利益率はしっかりと向上し
ています。また、株式指標をみると割安感が出てきていることから、中国企業の石炭生産
が回復する18年の1Q 以降(6月頃まで)の石炭相場を確認し、相場が安定していれば
資金の一部を投資してみるのもありかもしれません。
【おすすめ度☆3つ:株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい】
*石炭相場が安定してみれば現状株価でも投資の価値あり!
現在の業績★★★☆☆
将来業績 ★★★☆☆
業績安定度★☆☆☆☆
株式指標 ★★★★☆
配当利回り★★★★★
☆5つ…積極的に投資したい
☆4つ…余裕資金があれば打診買いで投資したい
☆3つ…株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい
☆2つ…株価が大幅下落(20%~30%)すれば投資を検討したい
☆1つ…構造的な変化が起きない限り投資は見送ったほうがよい
以上、ご参考にしていただければ幸いです!
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