【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】アストラ・インターナショナル(ASII:インドネシア)
こんにちはmokomoko3です。
今回はアジア・アセアン株の売買ランキングで常に上位に顔を出す、
アストラ・インターナショナル(ASII:インドネシア)の銘柄紹介を
行っていきたいと思います。
会社概要
【1.アストラ・インターナショナル会社概要】 |
Astra International Tbk)はインドネシ
アに本社を構える産業コングロマリットで
す。1957年に貿易会社として設立されま
したが、1960年から70年にかけて、自動
車や複合機の製造・販売を手掛けるように
なりました。その後の積極的な事業の拡大を通し、現在では①トヨタ、ダイハツ、BMW
などの自動車やホンダのオートバイの製造販売を行う「自動車事業」、②自動車やオート
バイ、建設機械のローンや損害保険と生命保険の販売、銀行業務等の金融事業を手掛ける
「ファイナンシャルサービス部門」、③建設機械の販売、土木工事や建設工事、石炭
採掘を事業とする「重機、採掘、建設、エネルギー部門」、④ パーム(アブラヤシ)農園
事業に取り組む「アグリビジネス部門」、⑤有料道路と港湾の運営事業、物流事業を行う
「インフラ・物流事業」、⑥富士ゼロックスの複合機の販売を中心にドキュメントソ
リューションやICTソリューションを提供する「インフォメーションテクノロジー
事業」、⑦商業用不動産と投資用不動産事業に従事する「プロパティー事業」の7つの
事業を展開しています。
業績推移
【2.アストラ・インターナショナル業績推移】 |
移をみていきます。アストラ・インターナ
ショナルの2017年の業績は、営業収益は
206057 billion Rupiah(1≒0.007円なの
で約1兆6030億円) 、親会社株主に帰属す
る純利益は18881 billion Rupiah(≒1486
億円)、EPSは466 Rupiah(≒3.6円)と
なっています。13年の業績が、営業収益
193880 billion Rupiah(≒1兆5080億円)、純利益が19417 billion Rupiah(≒1510億
円)、EPSは480 Rupiah(≒3.7円)なので、直近5年間の業績を比較すると、6.2%の
増収、2.7%の減益、EPSは2.9%のマイナスとなっています。
今後の業績について
【3.インドネシア輸出推移 国際通貨研究所資料より】 |
2015年に大きく落ち込んでいます。これ
は、石炭価格等の商品価格の下落によって
輸出量が減少し、景気が一時減速したため
です。 この影響で、インドネシア国内の
【4.石炭価格の推移 世界経済のネタ帳より】 |
101万3291台に減少し、結果としてアス
トラ・インターナショナルの業績もイン
フォメーションテクノロジー事業を除く全
セグメントで減収・減益となりました。
2016年以降、石炭価格が持ち直したた
め、インドネシアの経済成長率も5%台に
回復しています。インドネシアは2050年にかけて緩やかな人口増加が続くことも
あり*1、2020年頃までは5%前後の経済成長が見込まれています。石炭などの一次品の
商品価格の下落によって業績は悪化しましたが、アストラ・インターナショナルの業績は
インドネシア国内の経済成長を背景にゆるやかに回復すると考えられます。
*1 アジア・アセアン地域の経済成長に関して、過去記事でまとめています。ぜひご覧ください!
過去記事:「アジア株、アセアン株の魅力」
配当推移
【5.アストラ・インターナショナル配当推移 morningstarHPより】 |
ナショナルの配当推移をみてい
きます。2017年の配当額は、
188 Rupiah(≒1.4円)、配当
性向は40.3%となっています。15年の一時的な業績悪化を受けて、13年の配当額である
216 Rupiah(≒1.6円)に比べ12.9%の減配となっています。
今後の配当について
アストラ・インターナショナルは目標とする配当性向を定めておらず、「各年度の企業業績や財務安定性を考慮し、配当額を決定する」としています。そのため、正確な配当額
を予測することはできませんが、今後の業績は持ち直すと予想され、直近5年間の配当
性向が44.7%となっていることを考えると、来年度の配当額は210 Rupiah(17年度
EPS×配当性向45%で試算)に近い数字になるのではないかと思います。
株価推移
【6.アストラ・インターナショナル株価推移】 |
株価の推移をみていきます。2018年4月
12日時点の株価は7725Rupiah(≒60.1円)
となっています。長期的には2014年に近
い業績を回復しつつあり、株価も戻り基調
でしたが、米中の貿易摩擦や、米ロ関係などの国際情勢への警戒から2月以降株価は下落
しています。 今後の株価は世界経済の失速懸念から7000~9000 Rupiahの間でもみ合う
展開となりそうです。なお、株式指標はPER17.0倍、PBR2.6倍、配当利回り2.1%と
妥当な水準にあり、特段割安感はありません。押し目待ちが望ましいと考えます。
まとめ
アストラ・インターナショナルは自動車の製造・販売を中心としたインドネシア有数の産業コングロマリットです。グループ内でファイナンシャル事業や石炭採掘事業などを手掛
けており、インドネシア経済に左右されやすい事業構造となっています。目先、インドネ
シア経済は5%程度の経済成長を果たすと予測されており、業績は持ち直しそうですが、
株式指標に割安感はないため、押し目待ちとなりそうです。
【おすすめ度☆3つ:株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい】
一口コメント:インドネシア経済の影響を受けやすい事業が多く、押し目待ちです!
現在の業績★★★★☆
将来業績 ★★★★☆
業績安定度★★★★☆
株式指標 ★★★☆☆
配当利回り★★☆☆☆
☆5つ…積極的に投資したい
☆4つ…余裕資金があれば打診買いで投資したい
☆3つ…株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい
☆2つ…株価が大幅下落(20%~30%)すれば投資を検討したい
☆1つ…構造的な変化が起きない限り投資は見送ったほうがよい
以上、ご参考にしていただければ幸いです!
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