【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】バンプー(BANPU:タイ)
こんにちはmokomoko3です。今回はアジア・アセアン株の売買ランキングで常に上位に顔を出す、
バンプー(BANPU:タイ)という株の銘柄紹介を行っていきたいと思います。
会社概要
【バンプー事業エリアマップ】 |
タイ、インドネシア、中国、オーストラリア、ラオ
ス、モンゴル、シンガポール、日本そしてアメリカ
で石炭採掘業、発電事業、代替エネルギー業に従事
する企業です。タイの政府部門である代替エネル
ギー開発・効率化局(Department of Alternative
Energy Development and Efficiency)からランプ
―県のリー地区(Li District, Lamphun provinc)に
ある石炭採掘の操業を請負うために1983年に設立された「Ban Pu Coal Company
Limited」という企業が母体となっており、Vongkusolkit and Auapinyakul familiesに
よって設立されました。
【バンプーセグメント別収入】 |
してきましたが、近年では事業を多角化
し、① 石炭採掘販売を手掛ける石炭事業
を中心として、②2016年にタイ証券取引
所に上場した子会社の「Banpu power」
が手掛ける発電事業(石炭による
火力発電だけでなく、太陽光発電といった代替エネルギー発電もおこなっています)、
③アメリカのペンシルベニアで操業しているシェールガス事業、④2017年から事業を開始
した燃料事業、⑤その他の事業、という5つのセグメントをもっています。
業績推移
【バンプー業績推移 yahoo financeより】 |
2017年の業績は、売上が2876 million
USD(1 US$=105円で約3045億円)、純利益が
233 million $(約246億円)、EPSが0.046$
(約4.8円)となっています。(表にはありません
が)13年の実績が、売上3351 million $(約
3551億円)、純利益が130 million $(約137億
円)、EPSが0.04$(約4.2円)となっており、
売上が14.1%の減収、純利益が79.2%の大幅増益、EPSが15%の+となっています。
これは、インドネシアの子会社インド・タムバンガラヤ・メガウと同様に、石炭価格の
変動によるものです。
【石炭価格の推移 世界経済のネタ帳より】 |
左の画像のように2011年の129US$/1tを
ピークに石炭価格は急落しており、それに
伴いバンプーの業績も悪化しています。
しかし、環境規制の一環で中国政府が石炭
の生産を一時中止。その影響で中国の火力
発電所が国内供給を受けていた石炭を急遽
輸入し対応することにしたため、
需給の改善で17年には石炭相場は急回復しました。在庫の評価益やこれまでの経費削減に
よる体質改善で収益力が増していたため、減収ながら、利益は増益という業績となりまし
た。このように、バンプーの業績は石炭価格の動向によって大きく左右されるものとなっ
ています。もっとも、業績を安定させるため、バンプーは発電事業や代替エネルギー発電
事業に取り組んでいます。石炭需要が今後10年で伸び悩むとのレポートも公表されている
ことから、石炭相場と発電事業の成否が今後のバンプーの業績を左右することになりそう
です。
配当推移
【バンプー配当推移】 |
う。2017年のバンプーの配当は0.65
Baht(1Baht=約3.3円なので約2.2円)
となっています。配当性向は50%を目途
として行うと発表しており、ほぼ企業業績
に連動する形で配当が実施されます。
石炭相場が活況だった2011年には2.1
Baht(約7.1円)*の配当があったことを考えると 、今後の配当は相場次第によって大きな
*2013年に1:10の分割を実施しています
変動を受ける可能性が高いです。
株価推移
【バンプー株価推移】 |
す。18年4月3日時点の株価は20.1 Baht
(約68.4円)となっています。12年2月
17日の50.9 Bahtを高値を付けて以降、
石炭相場の下落を受けて株価も低迷してい
ます。石炭相場は回復の兆しを見せていますが、今後の石炭相場に不透明感があることか
ら株価の戻りは緩やかなものになっています。
株式指標をみると、18年3月31日実績でPER14.3倍、PBR1.2倍、配当利回りが3.2%と割
安感が出てきています。バンプーは発電事業など脱石炭に向けた事業展開を行っています
が、そういった側面が評価されておらず、投資のチャンスだと思います。ポートフォリオ
の一部に組み込むべきでしょう。
まとめ
CO2排出量に対する環境規制によって、石炭を電源とする火力発電に対して批判声があ
がっています。今後10年間でも大きな需要増は期待しにくく、業績の急劇な改善はみられ
にくいと考えます。ですが、埋蔵量が豊富でかつ低位安定した価格で取引される石炭は、
有望なエネルギー源だと思います。外貨の関係上、アセアン地域の国々はエネルギー源を
輸入しにくいため、手近で安価な石炭への需要はアセアン域内では高まるはずです。
①今後、石炭相場は安定する、②発電事業(脱石炭)への取組、③株式指標をみると割安
感、という理由から長期的な投資対象として有望だと思います。
【おすすめ度☆5つ:積極的に投資したい】
一言コメント:現評価は低いですが、長期的投資としておすすめです。
現在の業績★★★☆☆
将来業績 ★★★★☆
業績安定度★★★☆☆
株式指標 ★★★★☆
配当利回り★★★☆☆
☆5つ…積極的に投資したい
☆4つ…余裕資金があれば打診買いで投資したい
☆3つ…株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい
☆2つ…株価が大幅下落(20%~30%)すれば投資を検討したい
☆1つ…構造的な変化が起きない限り投資は見送ったほうがよい
以上、ご参考にしていただければ幸いです!
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