【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】CIMBグループホールディングス(CIMB:マレーシア)
こんにちはmokomoko3です。今回はアジア・アセアン株の売買ランキングで常に上位に顔を出す、
CIMBグループホールディングス(CIMB:マレーシア)という株の銘柄紹介を
行っていきたいと思います。
会社概要
【CIMBグループ会社概要】 |
Group Holdings)はマレーシアのクアラル
ンプールに本社を置く、総合金融サービス
の提供会社です。1974年に当時のマレー
シア首相であったアブドゥル・ラザクを
発起人としてPertanian Baring Sanwa
Multinational Bank(PBSM)という名称で
設立されました。
その後、1986年に同業のBank of Commerceを買収。名称を現在のCommerce
International Merchant Bankers Berhad (CIMB)に変更しました。1991年のUnited
Asian Bank買収時にBank of Commerceと分離しますが、幾多の買収を経て2005年に再
びBumiputra-CommerceBank(旧Bank of Commerce)と合併。その後も企業買収と合
併を繰り返し、現在では15ヵ国で851の支店網を持ち、506 billion RM(1 RM=約27円な
ので約13兆8764億円)の総資産を持つ、マレーシア国内第2位の銀行に成長しました*。
*マレーシア国内第1位の総資産(765 billion RM≒20兆9578億円)をもつ銀行はメイバンクです。
業績推移
【CIBMグループ業績推移】 |
ていきます。17年度の業績は、業務粗利
益(operating income)が17626
million RM(約4832億円)、純利益が
4475 million RM(約1226億円)、
EPSが49.6 sen(100 sen=1 RMなので
約13.6円)となっています。
13年度の業績が、業務粗利益14671 million RM(約4024億円)、純利益4540 million
RM(約1246億円)、EPSが60sen(約16円)なので、5年間で20.1%の増収、
1.4%の減益、EPSは-17.3%となっています。
今後の業績について
2013年に台湾、インド、韓国で投資銀行業務を開始。16年にはベトナムに総合金融サービスを提供する100%子会社を設立、17年には中国のChina Galaxy Securities
Groupと証券仲買業務を行う合弁会社を設立するなど、海外展開と事業拡大が加速し、
業務粗利益(売上)は大きく増加しました。しかし、利益面は不安定な状況が続きそう
です。2010年ごろからマレーシア国内では景気拡大を受けて家計が積極的にローンを
利用する傾向が強まりました。17年に中銀が過剰融資に対する規制を強化しましたが
遅きに失し、焦げ付きが多発しました。CIMBグループホールディングスも例外では
なく、貸倒発生率が13年の0.28%から17年には0.69%と大きく悪化しており、貸倒損失
引当金の計上額が13年/17年比で3.3倍に膨れ上がっています。現状では貸倒引当金を
取り崩しており(16年比でマイナスとなっており)、これ以上の貸倒損失引当金の
計上はなさそうですが注意が必要です。 以上のように、CIMBグループホールディングス
の業務粗利益は今後も成長すると考えられますが、マレーシア国内の過剰融資(ローンの
焦げ付き)が収まるまでは、さらなる貸倒引当金の計上につながる恐れがあり、収益悪化
の可能性も考慮すべきです。
配当推移
【CIMBグループ配当推移】 |
配当推移をみていきます。17年の配当額
は49.6 Sen(約13.5円)です。マレーシ
ア国内のローンの焦げ付きが本格的に発生する前の13年は60 Sen(約16.4円)だった
ので、対13年比で17.3%の減配となっています。 配当性向は直近5年間は40%~50%
の間で推移していますが、配当性向に関してのアナウンスはなく、毎年40~60%の配当性
向となるよう業績に基づき判断しているようです。なお、18年の配当性向も40~60%を
目途に配当するとアナウンスしており、貸倒損失引当金の計上額次第で配当額が大きく
増減しそうです(おそらく増配になると思いますが…)。
株価推移
【CIMB株価推移】 |
18年4月4日時点で株価は7.11 RM(約
194円)となっています。マレーシア国内
のローンの焦げ付き問題が拡大したことで
株価は16年1月15日に4.01 RMをつけま
したが、17年の決算で貸倒引当金の戻り入れが発生したことから、株価は回復してきて
います。今後の決算でローンの貸倒がこれ以上発生しないようであれば、業績は自然と
回復し、株価も最高値を更新する展開になりそうです。なお、株式指標は4月4日時点で、
PERが14.5倍、PBRが1.3倍、配当利回りが3.47%と割安感が出てきています。
まとめ
CIMBグループはアレーシア第2位の総資産を持つ総合金融サービス提供会社です。海外展開・事業展開を積極的に行っており、業務粗利益(売上)は増収基調です。
ただ、マレーシア国内でローンの焦げ付きが多発しており、利益面に不安が残ります。
株価指標には割安感が残るため、今後の貸倒発生率には注意しつつ、投資してみたい銘柄
です。
【おすすめ度☆4つ:余裕資金があれば打診買いで投資したい】
一口コメント:貸倒損失に要警戒!
現在の業績★★★☆☆
将来業績 ★★★★☆
業績安定度★★★★☆
株式指標 ★★★★☆
配当利回り★★★☆☆
☆5つ…積極的に投資したい
☆4つ…余裕資金があれば打診買いで投資したい
☆3つ…株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい
☆2つ…株価が大幅下落(20%~30%)すれば投資を検討したい
☆1つ…構造的な変化が起きない限り投資は見送ったほうがよい
以上、ご参考にしていただければ幸いです!
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