【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】バンコク銀行(BBL:タイ)

【アジア株・アセアン株個別銘柄紹介】バンコク銀行(BBL:タイ)

こんにちはmokomoko3です。

今回はアジア・アセアン株の売買ランキングで常に上位に顔を出す、

バンコク銀行(BBL:タイ)の銘柄紹介を行っていきたいと思います。

会社概要

【バンコク銀行会社概要】
 バンコク銀行はタイを拠点とし、子会社を通して

コーポ―レートバンキング、コマーシャルバンキン

グ、ビジネスバンキング、コンシューマーバンキン

グ、インターナショナルバンキング、インベストバン

キングという6つの事業を提供する総合金融サービス

提供会社です。2017年時点の総資産は3076 billion

Baht(1 Baht≒3.4円なので10兆5509億円)あり、

タイ国内で最大の金融機関となっています。

沿革 引用:末廣昭(1992)「バンコク銀行グループ―タイ金融コングロマリット―」(アジア経済)

バンコク銀行グループは潮州系華人のチン・ソーポンパニットが事実上一人で築き上げた

財閥です。第2次世界大戦後の1944年にバンコク銀行はチン・ソーポンパニットをはじめ

とする華人・華僑の共同事業として設立されました。バンコク銀行の初代会長には王族の

チャオプラヤー・ラーマラーコップ殿下が就任し、 チン・ソーポンパニット自身は顧客と

銀行を仲介する要職「コンプラドール」に就いていました。ところが、1951円から1952

年にかけて、総支配人のロープルーキットはの投機的な不動産投資が失敗し、バンコク銀

行は経営危機に陥ります。その立て直しのため、1952年にチン・ソーポンパニットが総支

配人に就任。以降、経営改革を推し進めると同時に軍閥との結びつきを強め*1、就任時の

バンコク銀行の資産113 million Bahtを1977年には68406 million Bahtへと飛躍的に成

長させました。その後も軍閥や華人・華僑とのネットワークを生かし、タイ国内だけに

とどまらず、タイ国外でのネットワークも築き上げ、現在では海外15ヵ国、32の地域に営

業拠点網を広がっています。

 *1経営改革は以下の通り、①預金業務の改革として改革定期性預金(1952年)、貯蓄性預金(1963年)の導入、②貸付業務の改革として、 工業への融資を開始(1954年)、タイ初の農民・農業向け融資の開始(1962年)、個人向け融資の開始(1963年)、③バックオフィス改革として、金銭登録機の導入(1963年)、タイ初の業務のオンライン化(1970年)等を推進しました。また、1953年にピン国軍最高司令官の部下で、当時の経済副大臣のシリ・シリヨーティン陸軍大佐を、バンコク銀行会長に招聘。1957年にピン国軍最高司令官が失脚すると、当時の権力中枢にあったサリオット派のプラパート陸軍中将を新しい会長に迎えるなど、権力者(軍閥)との結びつきを強め、バンコク銀行を成長させました。

業績推移

バンコク銀行業績推移
 それではバンコク銀行の業績の推移をみ

ていきます。2017年のバンコク銀行の業

績は、連結業務粗利益は160253 million

Baht(≒5288億円)、純利益は33009

million Baht(≒1129億円)、EPSは

17.2 Baht(≒58.8円)となっています。


 13年度の業績が、業務粗利益143138 million Baht(≒4902億円)、純利益は35906

million Baht(≒1229億円)、EPSは18.8 Baht(≒64.4円)となっています。

17/13年度の対比でみると、業務粗利益は11.9%の増収、純利益は8.0%の減益、EPSは

-8.5%となっています。

今後の業績について

バンコク銀行の業績を直近5年間で比較してみると、業務粗利益は順調に拡大している

ものの、純利益とEPSは下落しています。これは2011年に発生したタイの洪水による

混乱、12年、13年の最低賃金の引き上げに伴う消費マインドの悪化と、

バンコク銀行貸倒引当金推移
13年~14年に発生したタイの軍事クー

デターという一連の経済リスクに対処し、

15年に貸倒引当金を大きく積み増した

ことによるものです。 バンコク銀行は、


【18年タイ経済成長予想】
15年以降も貸倒引当金を積み増しし、17年の引当金計

上額は22370 million Baht(≒767億円)と14年比で

約2.5倍もの金額を費用計上しています。このよう

に、バンコク銀行は将来的な損失の発生に備えた費用

計上を行っていますが、目先の経済情勢は左記のプレ

ゼンターション資料にあるように、ゆるやかに成長す

る予想となっています。したがって、米中の貿易戦争

による経済成長の失速や19年2月に予定されている

タイ総選挙に伴って混乱が発生しなければ、これ以上の減益を心配する必要はなさそうで

す。


配当推移

バンコク銀行配当推移
次に、バンコク銀行の配当の推移をみてい

きます。バンコク銀行の17年の配当額は

6.5 Baht(≒22円)、配当性向は39.3%

となっています。2011年のタイの洪水被

害を受けて以降、12~13年の最低賃金引

き上げに伴う消費マインドの低下、

13~14年のタイのクーデターと、様々な経済リスクの高まりを受けて、配当額、配当性向

を据え置く動きが続いています。

今後の配当について 

バンコク銀行は配当政策に関するアナウンスを発表してはいません。しかし、直近の配当

性向をみる限り、配当性向40%を目安に配当を行うのではないかと思います。今後、タイ

を含め、世界的にゆるやかな経済成長を遂げると関げていますが、タイは19年2月に

総選挙を控えており、2014年の軍事クーデターのような政治的リスクの高まりが心配の種

となっています。企業業績は好調ですし、引当金もすでに十分に積み増していることか

ら、追加的な引当金の計上がなければ増配が期待できると思います。

株価推移

【バンコク銀行株価推移】
最後にバンコク銀行の株価の推移をみてい

きます。バンコク銀行の株価は2018年4

月5日時点で190 Baht(≒653円)となって

います。2014年の軍事クーデター以降、

引当金を積み増したことによって、減益が

続いたことから、株価も横ばいとなっています。ですが、株価が横ばいを続ける中で、

事業規模はしっかりと拡大を続けています。株式指標もPERが10.9倍、PBRが0.8倍、配当

利回りは3.4%と割安感が出てきています。19年2月の総選挙という政治的リスク次第で

は、株価の上昇が期待できそうです。

まとめ

バンコク銀行事業ネットワークの拡充
タイ国内の経済リスクの高まりによって

バンコク銀行の株価は低迷していますが、

その間も着々と海外/国内事業の事業ネッ

トワーク網を拡大させています。業務粗利

益も順調に増加しており、引当金も十分に

積み増しされていることから、さらなる減益はなさそうです。19年2月のタイ国内総選挙

に伴う政治的な混乱が生じない限り、押し目を待って投資するチャンスだと思います。

【おすすめ度☆3つ:株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい】

一口コメント:19年2月の国内総選挙が最大のリスク!

現在の業績★★★☆☆ 
将来業績 ★★★☆☆  
業績安定度★★★☆☆
株式指標 ★★★★★
配当利回り★★★☆☆

☆5つ…積極的に投資したい
☆4つ…余裕資金があれば打診買いで投資したい
☆3つ…株価が下落(5%~20%)すれば投資を検討したい
☆2つ…株価が大幅下落(20%~30%)すれば投資を検討したい
☆1つ…構造的な変化が起きない限り投資は見送ったほうがよい

以上、ご参考にしていただければ幸いです!

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